今回は、Elgatoのキャプチャーボード「Game Capture HD60 Pro」の仕様・性能について、製品外箱や公式サイトなどに記載された情報をもとに、できるだけわかりやすくご紹介します。
Game Capture HD60 Proは、フルHDパススルー出力&1080p/60fpsの録画に対応とキャプチャーボードとしてはよくある録画性能ですが、特筆すべきはPC内蔵型による安定性と信頼性の高さです。
外付け型のラインナップの豊富さも個人的には好きなのですが、せっかくデスクトップパソコンを使っているのなら、そのメリットを活かしてPC内蔵型キャプチャーボードを選択してみるのもアリかなと思ってます。
デスクトップパソコンに内蔵させて使うタイプのため、PC自作の経験がない初心者は抵抗を感じるかもしれませんが……収録環境をシンプルにまとめつつ、高品質かつ安定性の高いゲーム実況・配信を行いたいという人におすすめのキャプチャーボードです。
Elgato「Game Capture HD60 Pro」とは?特徴&使い方について
製品名 | Game Capture HD60 Pro(通称:HD60 Pro) |
パソコンとの接続方法 | 内蔵型・PCI Express x1(x1/x4/x8/x16スロット使用可) |
エンコード方式 | ハードウェアエンコード(H.264) |
パススルー出力 | フルHD(1920×1080)パススルー対応 |
最大録画品質 | 1080p/60fps |
映像ビットレート | 最大60Mbps |
接続可能なビデオ端子 | HDMI |
対応OS | Windows 7(64ビット版)以降【Windows 10・11対応】 |
発売日 | 2015年11月2日 |
備考 | プロファイルブラケット(ハイ&ロー)付属 |
「Game Capture HD60 Pro」は、アメリカのCORSAIR(コルセア)傘下のブランドで、クリエイター向けの様々なハードウェア&ソフトウェアを開発・販売しているドイツ創業のメーカー・Elgatoによるキャプチャーボードです。
フルHDパススルー&HDMI接続による最大1080p/60fpsでのキャプチャーが可能で、PC内蔵型の利点である高い動作安定性を活かしたゲーム実況・ゲーム配信が行えるように作られています。
また、一度パソコンに設置してしまえば、ゲーム実況やゲーム配信をする度に準備する手間が大幅に省けるのもメリットです。
PCI Express接続によるデスクトップパソコン専用の製品のため、パソコンパーツを組み込める知識や技術がある程度必要になりますが、本格的にゲーム実況・配信に挑戦したい方におすすめです。
2021年現在もAmazonやYahoo!ショッピングなどのネット通販サイトでは、23000円前後で販売中です。
Game Capture HD60 Pro 本体の外観&接続端子をチェックしよう
- 大きさ:幅122mm×奥行56mm×高さ14mm
- 重さ:約102g
「黒くてシンプルなデザイン」はElgato製キャプチャーボードの特徴で、このGame Capture HD60 Proでも見られます。
「PC内蔵型キャプチャーボード」と表現すると、ファン付きで機械感たっぷりのグラフィックボードのような大きさをイメージしますが、実際はそれほど大きくないことがわかります。
というのも、Game Capture HD60 Proはロープロファイルサイズの小さいキャプチャーボードのため、ロープロファイルブラケットが付属品として付いてきます。これを使用してロープロファイル対応も可能です。
本体上面は基板保護のためのカバーで覆われています。
ここに「Elgatoロゴ」「HD60 PRO」とプリントされていますが、裏側にはカバーが付いていないので、基板に直接触れないように気をつけましょう。
また、PCI Expressスロットに接続するための切り欠きが確認できます。
PCI Express x1に対応のため、x1/x4/x8/x16スロットに接続が可能です。
本体の接続端子は「HDMI(IN / OUT)端子」のみとなっています。
HDMI IN端子には、HDMI出力を備えたゲーム機や端末とHDMIケーブルで繋ぎ、HDMI OUT端子には、付属品のHDMIケーブルで映像出力先となるテレビ・モニターと繋ぎます。
余計な端子や不要なものが一切存在せず一見すると簡素な作りですが、性能や機能はしっかりとしています。
Game Capture HD60 Proの付属品
下記4点がElgato Game Capture HD60 Proの付属品です。
- HDMIケーブル(2000mm)
- ロープロファイルブラケット
- Elgatoステッカー
- セーフティガイド
HDMIケーブルがパススルー出力用に1本付属していますが、市販のものでも代用可能です。
ロープロファイルブラケットが付属しています。
HD60 ProはスリムPCにも搭載できるサイズのキャプチャーデバイスなので、使用するPCのサイズに合わせてブラケットを交換して搭載できます。
Elgatoステッカーは、他の製品に付属している紙製のものよりも高級感があります。
裏に両面テープが貼ってあるので、気軽に色々な所に貼れますね。
セーフティガイドは、使用上の注意事項をまとめたものです。
ほとんどのElgato製キャプチャーボードに付属してきますが、読まなくても全く問題ありません。そもそも日本語での案内がありません。
Game Capture HD60 Proのスペックについて/本体仕様・録画品質をチェックしよう
ここではGame Capture HD60 Proの各種スペックについて、以下4つに分けながら確認していきましょう。
- 動作環境
- 使用可能なキャプチャーソフト
- 接続可能なゲーム機・端末
- 録画性能
動作環境
- 対応OS:Windows 11 / 10 / 8.1 / 8 / 7(64ビット版)
- 接続インターフェイス:PCI Express x1/x4/x8/x16スロット
- CPU:第4世代 Intel Core i5-4xxx クアッドコア 2.0GHz 以上
- グラフィックボード:Intel HD / NVIDIA GeForce GTX 600 以上
- メモリ:4GB RAM 以上
2015年発売のキャプチャーボードなので、HD60 Proの要求スペックはそれほど高くはありません。
第4世代 Intel CPUやCPU内蔵のグラフィック(オンボードグラフィック)で動作するため、CPU性能が抜群に良ければグラフィックボード無しでも動作します。
とはいえ、より安定した録画・配信を行いたい場合は、パワーに余裕のあるCPUやグラフィックボードは搭載しておくべきでしょう。
使用可能なキャプチャーソフト
- Elgato「4K Capture Utility」
- Elgato「Game Capture HD」
- OBS Studio
- Xsplit
- その他サードパーティー製ソフト
Elgatoのサイトから「4K Capture Utility」「Game Capture HD」というキャプチャーソフトを無料でダウンロードすることができます。
「Windows 10 64-bit ビット、またはそれ以降が必要です」と記載があるため、Windows 7・ 8・8.1の場合は「Game Capture HD」のバージョン3.20.33をダウンロードしましょう。
Game Capture HDの過去バージョンはバージョン履歴からダウンロードが可能です。
また、OBS StudioやXsplitなどのサードパーティー製キャプチャーソフトにも対応しています。
特にOBS Studioは、無料キャプチャーソフトでありながら録画・配信などに必要な機能が一通り揃っているため、動画共有サイトで活躍する実況者・配信者に広く愛用されています。
接続可能なゲーム機・端末
Game Capture HD60 ProとHDMIケーブルで接続可能な機器を、Nintendo・SONY・その他ゲーム機(端末)ごとに表にまとめてみました。
なお、実機の使用を前提としているため、互換機や映像・音声コンバーターなどを使用する場合は、正常にキャプチャーできない可能性があります。
ゲーム機(Nintendo) | HDMI | 備考 |
---|---|---|
Nintendo Switch | ◯ | テレビモードでの使用必須 |
Nintendo Switch Lite | × | テレビ出力自体ができない |
Wii U | ◯ | |
Wii | × | WiiソフトはWii Uで使用可能 |
ゲームキューブ | × | |
ニンテンドー64 | × | |
スーパーファミコン | × | |
ファミリーコンピュータ | × |
ゲーム機(SONY) | HDMI | 備考 |
---|---|---|
PlayStation 5 | ◯ | 設定でHDCPをオフにする |
PlayStation 4 | ◯ | 設定でHDCPをオフにする |
PlayStation 3 | △ ※1 | HDMI接続での録画には専用の分配器が必要 |
PlayStation 2 | × | |
PlayStation 1 | × | |
PlayStation Vita TV | △ ※1 | HDMI接続での録画には専用の分配器が必要 |
PlayStation Portable | × |
その他ゲーム機・端末 | HDMI | 備考 |
---|---|---|
Xbox Series X / S | ◯ | |
Xbox One | ◯ | |
Xbox 360 | ◯ | |
Xbox | × | |
iOSデバイス | ◯ | Lightning Digial AVアダプタを使用 |
Androidデバイス | △ ※1 | HDMI接続での録画には専用の分配器が必要 |
※1 HDCP信号が含まれているため、HDMI接続での録画は不可。とある分配器を使用すればHDMI接続での録画が可能になる
録画性能
フルHDパススルー出力対応で、ハードウェアエンコード方式(H.264)にて最大1080p/60fpsでのキャプチャーが可能です。
PC内蔵型キャプチャーボードのメリットを活かして、PS5・PS4・Nintendo Switchなどのゲーム配信でも高い動作安定性で高品質なキャプチャーが可能です。
HD60 Proは4K・HDR映像の入出力・録画には非対応なので、PS5・PS4 Proを4K・HDR映像で遊びつつ録画も行いたいという人は、上位モデルの4K60 Proがおすすめです。
Game Capture HD60 Proの録画品質(キャプチャーソフトGame Capture HD使用時) | |
---|---|
エンコード方式 | ハードウェアエンコード |
パススルー出力 | フルHD(1920×1080)パススルー対応 |
対応入出力解像度 | 1920×1080 / 1280×720 / 720×576 / 720×480 ※2 ※3 |
対応録画品質 | 1080p(60・30fps) / 1080i / 720p(60fps・30fps)/ 576p / 576i / 480p ※2 ※3 |
映像ビットレート | 最大60Mbps |
音声ビットレート | 固定224kbps ※4 |
動画ファイル形式 | TS ※5 ※6 |
※2 640×480は非対応
※3 4K Capture Utility使用時は1080p・720pのみ対応
※4 4K Capture Utility使用時は固定320kbps
※5 設定項目でMP4形式での自動書き出しも選択可能
※6 4K Capture Utility使用時はMP4
Game Capture HD60 Proの特徴についてまとめると……
- 2015年に発売したElgato製のPC内蔵型キャプチャーボード
- スリム型PCケースにも対応可能なロープロファイルサイズ
- PCI Express接続による高い安定性で高品質な録画・配信が可能
- HDMIケーブルを繋いでフルHDパススルー出力&最大1080p/60fpsのキャプチャーが可能
HD60 Proのキャプチャーボードとしてのスペックは可もなく不可もなくと言った感じで、フルHDパススルー&1080p/60fpsでのキャプチャーが可能という、癖のなさが特徴とも言えます。
それよりも、内蔵型キャプチャーボードの強みである録画・配信時の安定感の高さは、ゲーム実況者・配信者にとっては大きな魅力です。
どうしても失敗できない大切な場面でも、いつもと変わらずに仕事をしてくれます。
USB接続の外付け型でもしっかりキャプチャーできる製品は多いですが、ゲーム実況・配信時の余計な手間や心配事はなるべく減らしたいという人に、Game Capture HD60 Proはピッタリなキャプチャーボードと言えるでしょう。
コメント