今回は、Elgatoのキャプチャーボード「Game Capture HD60 X」を実際に使ってみて、良かったところ・気になったところをレビューします。
HD60 Xは、下位モデルである「HD60 S+」と似ている点も多く、単純に「VRRパススルー機能が追加されただけ」という印象がありますが……
実際にはそれだけではなく、録画性能・機能・本体デザインの変更などの様々な改良が加えられています。
そのため、PlayStation 5やXbox Series X/SなどのVRR&高フレームレート対応ゲーム機は当然ですが、Nintendo Switchやその他のHDMI接続対応ゲーム機にも、幅広く対応可能なキャプチャーボードです。
- VRR&高フレームレートパススルーに興味のある人
- HD60 S+やHD60 Sを購入するか迷っている人
- 小型かつ高性能な外付け型キャプチャーボードを探している人
- Windows 11やM1 Mac対応のキャプチャーボードが欲しい人
- 録画だけでなくOBS Studioで配信も行いたい実況者や配信者
Elgato HD60 Xを購入した理由&きっかけは?
下位モデルの「HD60 S+」「HD60 S」の価格が高騰していたというのが、HD60 Xを購入した大きな理由ですね。
元々、発売当初からHD60 Xに興味はあったものの、なかなか買うきっかけがなくて一年以上経過してしまったのですが……
何気なくAmazonで「Elgato」と検索したら、HD60 S+やHD60 Sの新品がいつの間にか品薄で、中古価格も高騰しているのを発見。「中古のElgato HD60 S+は……3万円!?」
あまりの高騰ぶりに驚きつつ、すぐ隣のタブでHD60 Xをチェックしてみると、新品24000円の表示が。発売したての頃は3万円超えてたのに、いつの間にか安くなってます。
これを見て真っ先に思ったのは、「中古キャプチャーボードを3万円で買うくらいなら、新品HD60 Xを24000円で買えば、6000円の良いマイク買えちゃうぞ?」ということ。
HD60 Xでも問題なく使えるということがわかれば、わざわざ価格が高い下位モデルのHD60 S+やHD60 Sを買う人も減りますし、浮いた分のお金をマイクとか他の機材購入にあてられます。
ただ、下位モデルよりも高い動作環境が要求されていて、買ったのに動作しない&使えないでは非常にもったいない。
「じゃあ、実際に買ってレビューしよう。Amazonギフト券も使い切りたいし。」と、わりと勢いで購入しました。
2023年7月現在の価格は、Amazonで新品24000円ほど。※プライムデー先行セールでは19850円になっていました。
Elgato製キャプチャーボードとしては標準的な値段に思えますが、2022年11月~2023年2月頃は新品35000円ほどだったため、それと比べると価格はかなり下がっていてお得な感じがします。
反対にHD60 S+が品薄?のためか新品35000円ほどで販売されているのを見ると、HD60 S+より安価で高性能なHD60 Xのほうが買い時。
その影響かどうかはわかりませんが、価格比較サイト「価格.com」のビデオキャプチャ人気売れ筋ランキングでも「9位」にランクインしていて、人気ぶりがわかります。
Elgato HD60 S+のスペック・動作環境を確認しておこう
まずは、HD60 Xの製品仕様と動作環境について軽くチェックしてみましょう。
なお、より詳しいHD60 Xのスペックについてを知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
Elgato HD60 Xのスペック
HD60 Xのスペックについて、下記でまとめてみました。
Elgato Game Capture HD60 Xのスペック | |
---|---|
製品名 | Game Capture HD60 X(通称:HD60 X) |
パソコンとの接続方法 | 外付け型・USB3.0(USB3.2 Gen1) |
エンコード方式 | ソフトウェアエンコード(AVC/H.264、HEVC/H.265 HDR) |
パススルー出力 | 4K、HDR10、VRR、240fpsパススルー対応 |
最大録画品質 | 2160p/30fps、1440p/60fps、1080p/120fps・HDR |
HDR10録画 | Windowsのみ対応(macOSでは不可) |
映像ビットレート | 最大100Mbps(録画解像度により上限が変化) |
接続可能なビデオ端子 | HDMI |
対応OS | Windows 11・10(64ビット版) / macOS 11 Big Sur 以降 |
発売日 | 2022年4月22日 |
備考 | プラグアンドプレイ対応 |
なによりもまずHD60 Xで特筆すべきは、VRRパススルー対応という点。VRRパススルー対応のキャプチャーボード自体が少ないので、誰もが気になる特徴の1つですね。
HD60 Xのスペック紹介記事でも触れましたが、HD60 XはVRR(Variable Refresh Rate・可変リフレッシュレート)の映像もパススルー可能なので、スタッタリング(映像のカクつき)やティアリング(映像のズレ)のない綺麗な映像を楽しめます。
ちなみに、家庭用ゲーム機では「PlayStation 5」と「Xbox Series X/S」がVRRに対応しています。
……とこれだけ聞くと、HD60 Xは「VRRパススルー目当ての非常にコアなユーザー向けの製品」のように思えますが、実は録画品質をはじめとした様々な性能が向上しています。
例えば……
- 最大録画品質:2160p/30fpsや1080p/60fps・HDRに、新たに1440p/60fpsが追加
- 映像ビットレート:最大100Mbps(1440p/60fpsの場合)で設定可能
- パススルー性能:1440p/120fps、1080p/240fpsなどの高フレームレートパススルーが可能
というように、VRRパススルーに興味のないユーザーも満足できるようなスペックに進化しています。
ただ、相変わらず「2160p/60fps・HDR」のような完璧な4K・HDRキャプチャーはできませんし、macOSはHDR10キャプチャー非対応です。
そのため、HD60 Xに関しては「HD60 S+の使い勝手そのままでVRRパススルーを売りにしつつ、その他性能もパワーアップさせましたー!」という印象を受けました。
Elgato HD60 Xの動作環境
HD60 Xの動作環境は以下の通りです。
Elgato HD60 Xの動作環境(Windows) | |
---|---|
対応OS | Windows 11・10(64ビット) |
接続インターフェイス | USB 3.0 以降のポート |
CPU | 第6世代 Intel Core i5-6xxx 以降/AMD Ryzen 7 以降 |
グラフィックボード | NVIDIA GeForce GTX 10xx 以降 |
メモリ | 4GB RAM 以上(8GB RAM 以上かつデュアルチャネル対応メモリを推奨) |
Elgato HD60 Xの動作環境(Mac) | |
---|---|
対応OS | macOS 11 Big Sur 以降 |
接続インターフェイス | USB 3.0 以降のポート |
CPU | Apple M1チップ/第4世代 Intel Core i5-4xxx クアッドコア 以降 |
グラフィックボード | M1内蔵グラフィックス / AMD・NVIDIA |
メモリ | 4GB RAM 以上 |
WindowsとMacで違いはありますが、HD60 Xの要求スペックは下位モデルHD60 S+よりも高めに設定されています。
動作環境ピッタリのPCスペックではゲーム実況・配信時に動作が不安定になる恐れがあるため、上記スペック以上の高性能CPU&グラフィックボードを準備しましょう。
ちなみに上記の動作環境は、 2160p/60fpsHDRキャプチャーが可能な「Elgato 4K60 Pro MK.2」とほぼ同等のPCスペックです。かなり高性能なCPU&グラフィックボード搭載のパソコンが求められていることがわかります。
Elgato HD60 Xを開封してみよう
ここからは、実際に開封してHD60 X本体と付属品をチェックしていきましょう。
▲今までのHD60シリーズと同じようなパッケージに見えますが……
▲HD60 Xは箱の開け口がジッパー加工になっています。
▲お菓子の箱を開けるようにパッケージを開封して……
▲HD60 X本体と付属品を取り出しましょう。ちなみに画像には写っていませんが、本体の下にはElgatoマークのステッカーとセーフティガイドが隠れています。
Elgato HD60 X 本体の外観&接続端子
HD60 X本体を見てみましょう。
HD60 Xのサイズは、幅112mm×奥行72mm×高さ17mm。重さは94.3gほどで、今までのHD60シリーズよりもわずかに小型&軽量になっています。
▲本体上面のElgatoマークがとにかく目立っていますが、それよりも本体自体が四角く変更されています。側面だけは丸みがありますが、HD60 SやHD60 S+の時ようなデザインではなくなりました。
▲次は本体前面です。こちらも中央の「Elgatoマーク・HD60 X」が目立っていますが、その右側の穴が「3.5mmステレオミニプラグ入力端子(のようなもの)」です。
正確には、3.5mmステレオミニプラグ入力端子ではなく、別売りの「Elgato Chat Link Pro」を繋ぐための端子らしいです。
▲Chat Link Proを使うと、PS5・PS4・Nintendo Switchのチャット音声を、ゲーム映像の音声とミックスして再生・録画できるようになります。
▲中央の「Elgatoマーク・HD60 X」の左側にある赤く光っている部分が「ステータスLED」です。Elgato純正キャプチャーソフト「4K Capture Utility」の使用時に、本体の動作状況にあわせて以下のように光ります。
- 青色で点灯:HDMI信号が正常
- 赤色で遅く点滅:録画中
- 赤色で早く点滅:HDMI信号が届いていないか無効
- ピンク色で早く点滅:HDMIケーブルが抜けている状態
ちなみに、OBS Studioやその他サードパーティ製キャプチャーソフトを使用する場合は、HD60 XのステータスLEDは「青く点灯」したままになります。
▲HDMI入出力端子やUSB端子は本体背面にまとまっていて、左から「HDMI OUT端子」「USB-C端子」「HDMI IN端子」となっています。
▲本体前面でChat Link Proを繋がない場合は、画像のようにケーブルの接続がHD60 Xの背面だけで完結するので、収録環境がコンパクトにまとまるのでGoodです。
ただ、HD60 SやHD60 S+の時のようなHDMI INとHDMI OUTの配置も、映像の流れがイメージしやすくて、直感的にHDMIケーブルを繋げたので個人的には好きです。
▲HD60 Xの底面です。本体に関する情報や様々なマークがプリントされています。滑り止めゴムも付いていますね。
HD60シリーズと同様に排熱用の穴やファンは見当たりませんが、触れなくなるほど本体が熱くなることはないです。
本体の形や接続端子の配置なども含めデザインがガラッと変わりましたが、Elgatoらしさはそのままで、使用感もほとんど変わりません。できるだけ無駄なくシンプルに、という部分は共通しているようです。
Elgato HD60 X 付属品一覧
下記4点がElgato Game Capture HD60 Xの付属品です。
- USB 3.0 ケーブル
- HDMI 2.0 ケーブル
- Elgatoマークのステッカー
- セーフティガイド
①:USB 3.0 ケーブルは、給電&映像データ転送に使用します。
②:HDMI 2.0 ケーブルは、パススルー出力用に付属しています。
③:Elgatoマークのステッカーも付属しています。Elgato製品ではお馴染みとなっていますが、貼る場所がないか貼るのがもったいなくて保管したままになるんですよね……。
④:セーフティガイドは、使用上の注意事項が書かれているものです。Elgato製のキャプチャーボードに必ず付属してるけど、無くても問題ありません。そもそも日本語での案内がないので、読まない人も多いです。
本当に必要最低限のものしか付属していません。説明書すらも不要といったシンプルさが実にElgatoらしいです。ちなみに、USB 3.0ケーブルとHDMI 2.0ケーブルは、市販のものでも代用可能です。
Elgato HD60 Xの使い方/キャプチャーソフトのインストール方法
HD60 Xはプラグアンドプレイ対応なので、ドライバーのインストールは不要です。
そのため、パソコンにキャプチャーソフトをインストールして、HD60 Xを付属のUSB3.0ケーブルでパソコンと接続するだけで、すぐ使える状態になります。
キャプチャーソフトは、Elgato製「4K Capture Utility」や「OBS Studio」などを利用しましょう。
4K Capture Utilityのインストール方法・概要は下記をご覧ください。
ちなみに、PS5やPS4・PS4 Proなどを使用する場合は、あらかじめ設定からHDCPをオフ(無効)にしておきましょう。
HDCPがオンの状態でHD60 Xと接続してキャプチャーソフトを起動しても、キャプチャーソフト上に映像は表示されません。
HD60 Xがパソコンやキャプチャーソフト上で正しく認識され、ゲーム機・テレビなどとHDMIケーブルでパススルーさせたら準備完了です。
Elgato HD60 Xを実際に使ってみた感想は?
実際にHD60 Xを使用してみて「良かったところ」や「気になったところ」をいくつか挙げてみました。
HD60 Xの良かったところ・メリット
- VRR&高フレームレートのパススルーが可能
- 4K、HDR、120fpsなどの高画質キャプチャーが可能
- 小型&軽量で取り回しや持ち運びがしやすい
- ドライバーをインストールせずに使える
VRR&高フレームレートのパススルーが可能
まず挙げるべき良い点は、ティアリングやスタッタリングなどの映像の乱れを気にせず遊べて、高フレームレートのパススルーもOKなところでしょう。
「VRRに対応していないキャプチャーボードだから、収録前にはVRRオフにしておかなきゃ。」
「いつもは1080p/120fpsで遊んでいるけど、60fpsまでしかパススルーできないからフレームレートを下げるか……。」
というように、ゲーム実況や配信をする際は、使用するキャプチャーボードに適した映像の入出力が必要で、遊び慣れている解像度&フレームレートは利用できない場合があります。
FPSゲームや対戦格闘ゲームなどをイメージするとわかりやすいと思いますが、「普段と違う映像設定で収録しなければならない」というのは、プレイ内容にも影響が大きく、気になる方には非常に気になる部分です。
HD60 Xを使うことで、完璧とは言えないまでも、できる限り普段と変わらない状況で遊べるようになります。
4K、HDR、120fpsなどの高画質キャプチャーが可能
外付け型なら1080p/60fpsキャプチャーは必須でしたが、それを超える品質の4K・HDR・120fpsなどでキャプチャーできます。
「外付け型でそこまで頑張らなくても良いのでは……?」とも思いますが、余裕のある性能で1080p/60fpsキャプチャーするほうが、ギリギリの性能でキャプチャーするよりも安定感&安心感があります。
また、4KやHDRだけでなく、地味に1440p/60fpsでキャプチャーできるようになっているのも良い点だと思います。
小型&軽量で取り回しや持ち運びがしやすい
小型・軽量なキャプチャーボードなので設置場所に困ることがほとんどなく、非常に取り回しがしやすいです。
本体も手のひらサイズで持ち運びしやすいため、収録機材の中でも荷物になりにくい点もGOODですね。
ドライバーをインストールせずに使える
ドライバーをインストールしないでOKなところも良い点です。
キャプチャーボードやその他機材もそうですが、使いたい時にすぐ使えるのが理想です。準備の手間はなるべく減らしたいですし、使用するパソコンを変えたとしても即座に使えるのは非常に助かります。
キャプチャー性能ばかりに注目しがちになりますが、プラグアンドプレイ対応も、縁の下の力持ちのような感じでかなり大事な要素です。
HD60 Xの気になったところ・デメリット
HD60 Xで気になった点は、下記の3つです。
- VRRパススルーは使わない人は全く使わない
- 2160p/60psHDRキャプチャーができない
- 入出力解像度と録画解像度の設定がやや複雑でわかりにくい
VRRパススルーは使わない人は全く使わない
HD60 Xの特徴でもあるVRRパススルー機能は、対応ゲーム機と対応ディスプレイなどを揃えなければ利用できません。
今のところ、家庭用ゲーム機でVRRに対応しているのは「PS5」と「Xbox Series X/S」だけです。加えて、VRRを正常に動作させるための「VRR対応ディスプレイ(モニター)」も必要になります。
どちらも用意できればVRRパススルーを利用できますが、現状では限られた人にしかメリットがありません。
そもそもHD60 XはVRRパススルーがなくても優れた製品なので、HD60 S+の上位モデルと考えてVRRパススルーを使わなくても全く問題ありません。
2160p/60psHDRキャプチャーができない
本格的な4K・HDR録画ができるキャプチャーボードと比べると、やはり性能が足りていない印象を持ちやすいです。実際に4K60 Prp MK.2やAVerMedia GC573などの高性能内蔵型キャプチャーボードと比べてみても、ハッキリとした差があります。
ただ、他の外付け型キャプチャーボードと比べれば、HD60 Xの録画品質も決して悪いものではありません。むしろ、2万円代前半でここまで性能が良いなら十分すぎるくらいです。
入出力解像度と録画解像度の設定がやや複雑でわかりにくい
HD60 S+の時も同じような仕様でしたが、入出力する解像度の次第で録画できる解像度が変わるのは、ちょっと複雑で厄介でした。
が、Elgato公式のヘルプにわかりやすい表があったので、それを参考にしながら設定すれば問題ありません。
入出力解像度に対してどんな品質で録画できるか、具体的な対応表は以下の通りです。※Elgato公式の対応表と内容は同じです
入出力解像度に対応した録画可能解像度の表 | |||||
---|---|---|---|---|---|
↓入出力 録画→ | 2160p(30fps) | 1440p(60fps) | 1080p(120fps) | 1080p(60fpsHDR) | 1080p(60fps) |
2160p(60fpsHDR) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
2160p(60fps) | ◯ | ◯ | ◯ | ||
1440p(120fps) | ◯ | ◯ | ◯ | ||
1440p(60fpsHDR) | ◯ | ◯ | |||
1440p(60fps) | ◯ | ◯ | |||
1080p(240fps) | ◯ | ◯ | |||
1080p(120fps) | ◯ | ◯ | |||
1080p(60fpsHDR) | ◯ | ◯ | |||
1080p(60fps) | ◯ |
Elgato HD60 Xを他の製品と比較してみよう
HD60 Xを他のキャプチャーボードと比べてみると、よりHD60 Xの仕様や特徴がわかりやすくなります。
下記の表では、下位モデル「HD60 S+」とAVerMedia製品でVRRパススルー対応の「GC551 G2」を、それぞれの特徴をわかりやすく比較しています(特徴的な箇所を赤色に変えて記載しています)。
※下記性能は4K Capture Utility使用時(HD60S+・HD60 X)やRECentral使用時(GC551G2)のものです
製品名 | HD60 S+ | HD60 X | AVerMedia GC551G2 |
---|---|---|---|
PCとの接続方法 | 外付け型・USB3.0(USB3.2 Gen1) | 外付け型・USB3.0(USB3.2 Gen1) | 外付け型・USB3.0(USB3.2 Gen1) |
エンコード方式 | ソフトウェアエンコード | ソフトウェアエンコード | ソフトウェアエンコード |
パススルー出力 | 4K(3840×2160)、HDR10パススルー対応 | 4K(3840×2160)、HDR10、VRR、240fpsパススルー対応 | 4K(3840×2160)、HDR10、VRR、240fpsパススルー対応 |
最大録画品質 | 2160p/30fps、1080p/60fps・HDR | 2160p/30fps、1440p/60fps、1080p/120fps・HDR | 2160p/30fps、1440p/60fps、1080p/60fps |
HDR10録画 | ◯ | ◯ | × |
映像ビットレート | 最大60Mbps | 最大100Mbps | 最大240Mbps(Windows)、最大120Mbps(Mac) |
接続可能なビデオ端子 | HDMI | HDMI | HDMI |
ドライバーのインストール | 不要 | 不要 | 不要 |
対応OS | Windows 11・10(64ビット版) / macOS 10.12 Sierra 以降 | Windows 11・10(64ビット版) / macOS 11 Big Sur 以降 | Windows 11・10(64ビット版) / macOS 11 Big Sur 以降 |
発売日 | 2019年11月1日 | 2022年4月22日 | 2022年10月7日 |
Elgato HD60 S+との比較/HD60 Xの下位モデルでVRRパススルー非対応
HD60 S+がHD60 Xと大きく異なるのは、VRR・高フレームレートパススルー非対応な点ですね。
といっても特に目立つ違いはそれくらいで、4K・HDRパススルー対応&1080p/60fps・HDRキャプチャーが可能と、下位モデルとはいえHD60 S+だけ見ても十分優秀な製品です。
「VRRや高フレームレートのパススルーは不要!」という方であればHD60 S+でもOKですが……現在は品薄?になっているためか、新品でも価格が37000円前後と高騰しています。※2023年7月現在
それに対してHD60 Xは24000円ほどと安価なので、HD60 Xを安く購入できるなら無理にHD60 S+を選ぶメリットはないと個人的には思います。
たしかに、要求されるPCスペックはHD60 S+のほうが低めですが、HD60 S+にするメリットといえば動作環境くらい。
少しでも新しいほうを持っていたほうが、後々で選択肢が広がるのでおすすめです。
▼HD60 Sのより詳しいスペックについては下記をご覧ください
AVerMedia GC551G2との比較/ほぼ同程度の性能だがHDR10録画は非対応
GC551G2とHD60 Xのわかりやすい違いは、HDR10録画非対応な点です。
逆に言えば、性能的にも機能的にもHD60 Xとほぼ互角でそれほど大差ありません。GC551G2もHD60 Xも、VRR・高フレームレートパススルーに対応しています。
「HDR録画の有無でHD60 XかGC551G2のどちらかを選ぶ」という決め方でも良いでしょう。
ただし、GC551G2もHDRパススルー自体には対応しているので、間違えないようにしましょう。
Amazonの新品価格を比べると、GC551G2の22000円に対して、HD60 Xは24000円ほど。※2023年7月現在
価格差は2000円とそれほどでもありませんが、GC551G2のホワイトバージョンは約21000円なので、少しでも安く購入したい方は、GC551G2のホワイトバージョンもおすすめです。
▲赤&黒のイメージが強いAVerMediaで、真っ白なキャプチャーボードはかなり存在感があります。
Elgato HD60 Xを使ってみて……/シンプル・扱いやすい・高性能が一つにまとまった、良いことずくしのキャプチャーボード
HD60 Xを使ってみて、まず一番最初に感じたのは小型で軽量という点。
実際にHD60 Xは、今までのHD60シリーズよりも若干小さく軽くなっているのですが、購入前は「性能や機能が充実すると本体が大きくなっても仕方ないかなー」と思っていました。
が、そんな心配も全く必要なく、HD60 XもちゃんとしたElgato製品だと、パッケージを開封して本体を手に取ってわかりました。ちょっと本体が角ばったデザインに変わりましたけどね。
持ち運びしやすい大きさなので、ゲーミングノートパソコンとも相性が良く、省スペースでのゲーム実況・配信を実現するのに活躍してくれそうです。
HD60 S+やHD60 Sなどと使い勝手が全く変わらないどころか、ほんのちょっと使いやすくなっているのもGoodです。
ドライバー不要のプラグアンドプレイ対応は言うまでもありませんが、キャプチャーに必要な接続端子のほとんどを本体背面に集めたのは、特に評価の高いポイントでした。
劇的に変化があったわけではなく、若干変更されたくらいがユーザーとしてもちょうど良く、説明書がなくても直感的に扱えるElgatoっぽさが感じられる部分ですね。
そして、外付け型キャプチャーボードとして必要十分な性能を持っているのも良い点です。
もちろん、外付け型製品でも2160p/60fps・HDRキャプチャーが簡単にできるようになればユーザーとしては嬉しい限りですが……
「4K60 S+」のように5万円を超えてしまうと気軽には買いにくくなります。それならば「4K60 Pro MK.2」や「AVerMedia GC573」のような、高性能な内蔵型キャプチャーボードを使えば済む話です。
ユーザーが求めている使い方を想定して、外付け型と内蔵型の棲み分けというか役割分担ができていると、使う側としても選びやすいので助かります。
まとめ:VRR対応の小型・高性能・外付け型製品を検討しているなら「Elgato HD60 X」はおすすめ
シンプルな見た目からは想像がつかないほど、HD60 Xは高い性能を秘めています。
VRRパススルー機能も搭載しているので、PS5やXbox Series X/Sなどの最新ゲーム機での収録にピッタリですが……Nintendo Switchやその他HDMI接続ゲーム機などでも、活躍してくれること間違いなしの製品です。
やや高めの動作環境をクリアしていれば、デスクトップパソコンだけでなくノートパソコンを使ったゲーム実況&配信が可能になります。「収録の質を下げたくない。でも、コンパクトな収録環境もつくりたい!」という方にも、HD60 Xはちゃんと応えてくれます。
ちょうど、下位モデルのHD60シリーズも新品が品薄になっているタイミングですし、HD60 S+やHD60 Sの購入を検討していた方にも、より高品質で安価な「HD60 X」はおすすめです。
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