今回は、Elgatoのキャプチャーボード「Game Capture HD60」の仕様・性能について、製品外箱や公式サイトなどに記載された情報をもとに、できるだけわかりやすくご紹介します。
上位モデル「Game Capture HD60 S」や「Game Capture HD60 S+」の登場によって、活躍する機会が激減した印象の「Game Capture HD60」ですが……
2014年発売当時は、USB2.0接続で手軽に最大1080p/60fpsの録画ができるキャプチャーボードとして重宝されていたと思います。
キャプチャーソフト上での映像遅延がかなり大きいという致命的な弱点はありますが、フルHDパススルー出力にも対応しているので、一応現役でまだまだ使える製品です。
「ゲーム実況・配信に初めて挑戦します!」
「手軽に1080p/60fpsでの録画を体験したい!」
「海外の謎のブランドよりはElgato製のほうが安心できる!」
といった方たちに、Game Capture HD60は手頃なキャプチャーボードです。
Elgato「Game Capture HD60」とは?特徴&使い方について
製品名 | Game Capture HD60(通称:HD60) |
パソコンとの接続方法 | 外付け型・USB2.0 |
エンコード方式 | ハードウェアエンコード(H.264+AAC) |
パススルー出力 | フルHD(1920×1080)パススルー対応 |
最大録画品質 | 1080p/60fps |
映像ビットレート | 最大40Mbps |
接続可能なビデオ端子 | HDMI |
対応OS | Windows 7 以降 / macOS 10.12 Sierra 以降 |
発売日 | 2014年8月11日 |
備考 | 上位モデルは「HD60 S」「HD60 S+」など |
「Game Capture HD60」は、アメリカのCORSAIR(コルセア)傘下のブランドで、クリエイター向けの様々なハードウェア&ソフトウェアを開発・販売しているドイツ創業のメーカー・Elgatoによるキャプチャーボードです。
フルHDパススルー&HDMI接続による最大1080p/60fpsの録画が可能で、発売されたのは2014年とちょっと古めですが、ゲーム映像のキャプチャーに必要な最低限のスペックは備えています。
Nintendo SwitchやPS5などの最新ゲーム機にも十分対応できるキャプチャーボードですね。
生産自体は残念ながら既に終了しているため、新品での購入は困難ですが、ヤフオク・メルカリなどで中古品で出品されることもあります。だいたい5000円前後で取引されているようです。
Game Capture HD60 本体の外観&接続端子をチェックしよう
※画像のGame Capture HD60は、CORSAIR(コルセア)傘下となる前のElgato Gaming時代のものです
- 大きさ:幅112mm×奥行75mm×高さ19mm
- 重さ:約106g
持ち運びも楽々できる、手のひらサイズのキャプチャーボードです。
Elgato製キャプチャーボードに共通している「黒色のシンプルなデザイン」は、Game Capture HD60でも見られます。
前モデルのGame Capture HDは側面が楕円に近い四角い箱のような形でしたが、今回のHD60は充電式カイロのような丸みのある特徴的なデザインになっています。
このデザインはHD60以降もHD60 SやHD60 S+に引き継がれ、外観・大きさ・接続端子の配置も全く同じものになっています。
上位モデルに買い換えても使用感がほとんど変わらないので、スムーズに収録作業に移れるのは良いですね。
本体上面を見てみると、「elgatoの旧ロゴ」と「HD 60」がプリントされています。このあたりのデザインもHD60 SやHD60 S+になっても同様です。
また、本体中央には細いラインのようなものがあります。この部分はLEDランプになっていて、本体の状態に合わせて白・赤に光ります。
この仕様はHD60 SやHD60 S+でも同じです。
本体側面(左側)の接続端子は、「アナログオーディオ IN端子」や「HDMI IN端子」、「mini USB2.0 Type-B端子」となっています。
アナログオーディオ IN端子は、ライン入力でオーディオ機器などと接続するものです。3.5mmステレオミニプラグを繋ぐことができますが、マイクには対応していません。
HDMI IN端子には、HDMI出力を備えたゲーム機や端末とHDMIケーブルで繋ぎます。
mini USB2.0 Type-B端子は、電源供給と映像データ転送のためのもので、付属品のUSB2.0ケーブルを使ってパソコンと接続します。
本体側面(右側)の接続端子は、「HDMI OUT端子」のみ。
HDMI OUT端子には、付属品のHDMIケーブルで映像出力先となるテレビ・モニターと繋ぎます。
接続端子の配置が入力・出力で分かれているので、初心者でも接続しやすいデザインとなっています。これは後のHD60シリーズでも同じようなデザインになっています。
Game Capture HD60の付属品
下記4点がElgato Game Capture HDの付属品です。
- セーフティガイド
- USB2.0ケーブル
- HDMIケーブル
- Elgatoステッカー
すぐに録画・配信が始められるように、必要最低限のケーブルは付属品として揃っています。
この画像の中にはありませんが、「セーフティガイド」という使用上の注意事項をまとめたものが入っています。
ほとんどのElgato製キャプチャーボードに付属してきますが、無くても全く問題ありません。そもそも日本語での案内がありません。
USB2.0ケーブルはPCと接続して、給電や映像データ転送に使用します。
HDMIケーブルはパススルー出力用に付属しています。
USB2.0ケーブルとHDMIケーブルは、市販のものでも代用可能です。
おまけのような「Elgatoステッカー」も付属しています。
Elgato Gamingとなっているので、Corsair傘下になる前の時代のステッカーです。
Game Capture HD60のスペック/本体仕様・録画品質をチェックしよう
ここではGame Capture HD60の各種スペックについて、以下4つに分けながら確認していきましょう。
- 動作環境
- 使用可能なキャプチャーソフト
- 接続可能なゲーム機・端末
- 録画性能
動作環境
- 対応OS:Windows 10 / 8 / 7(64ビット版)、macOS 10.9 Mavericks 以降
- 接続インターフェイス:USB 2.0 以降のポート
- CPU:第4世代 Intel Core i5-4xxx 2.0GHz 以上
- メモリ:4GB RAM 以上
2014年発売のキャプチャーボードなので、2021年現在の基準で考えると要求スペックは低めです。グラフィックボードも必須とはなっていないため、余程の低スペックCPUでも使わない限りは問題なく動作します。
※外箱の裏に記載されている要求スペックでは「CPU:第2世代 Intel Core i5-2xxx 以上」となっていますが、古い情報のためElgatoヘルプ内記載の動作環境を参照しました
使用可能なキャプチャーソフト
- Elgato「Game Capture HD」
- OBS Studio
- Xsplit
- その他サードパーティー製ソフト
Elgatoのサイトから「Game Capture HD」というキャプチャーソフトを無料でダウンロードすることができます。
「Windows 10 64-bit ビット、またはそれ以降が必要です」と記載がありますが、Windows 7 / 8(64・32ビット)の場合は、バージョン履歴からGame Capture HD バージョン3.20.33をダウンロードすれば使用可能です。
「OBS Studio」や「Xsplit」などのサードパーティー製キャプチャーソフトにも対応しているので、普段から使用している録画・配信ソフトを選べるのは良いですね。
接続可能なゲーム機・端末
Game Capture HD60とHDMIケーブルで接続可能な機器を、Nintendo・SONY・その他ゲーム機(端末)ごとに表にまとめてみました。
なお、実機の使用を前提としているため、互換機や映像・音声コンバーターなどを使用する場合は、正常にキャプチャーできない可能性があります。
ゲーム機(Nintendo) | HDMI | 備考 |
---|---|---|
Nintendo Switch | ◯ | テレビモードでの使用必須 |
Nintendo Switch Lite | × | テレビ出力自体ができない |
Wii U | ◯ | |
Wii | × | WiiソフトはWii Uで使用可能 |
ゲームキューブ | × | |
ニンテンドー64 | × | |
スーパーファミコン | × | |
ファミリーコンピュータ | × |
ゲーム機(SONY) | HDMI | 備考 |
---|---|---|
PlayStation 5 | ◯ | 設定でHDCPをオフにする |
PlayStation 4 | ◯ | 設定でHDCPをオフにする |
PlayStation 3 | △ ※1 | HDMI接続での録画には専用の分配器が必要 |
PlayStation 2 | × | |
PlayStation 1 | × | |
PlayStation Vita TV | △ ※1 | HDMI接続での録画には専用の分配器が必要 |
PlayStation Portable | × |
その他ゲーム機・端末 | HDMI | 備考 |
---|---|---|
Xbox Series X / S | ◯ | |
Xbox One | ◯ | |
Xbox 360 | ◯ | |
Xbox | × | |
iOSデバイス | ◯ | Lightning Digial AVアダプタを使用 |
Androidデバイス | △ ※1 | HDMI接続での録画には専用の分配器が必要 |
※1 HDCP信号が含まれているため、HDMI接続での録画は不可。とある分配器を使用すればHDMI接続での録画が可能になる
録画性能
フルHDパススルー出力対応で、ハードウェアエンコード方式(H.264+AAC)にて最大1080p/60fpsでのキャプチャーが可能です。
Nintendo Switchのキャプチャーにちょうど良い性能ですが、キャプチャーソフト上に表示される映像の遅延が2秒ほどあるため、パススルー出力は欠かせません。
Game Capture HD60の録画品質(Elgato製キャプチャーソフト使用時) | |
---|---|
エンコード方式 | ハードウェアエンコード(H.264+AAC) |
パススルー出力 | フルHD(1920×1080)パススルー対応 |
対応入出力解像度 | 1920×1080 / 1280×720 / 720×576 / 720×480 ※2 |
対応録画品質 | 1080p(60・30fps) / 1080i / 720p(60fps・30fps)/ 576p / 576i / 480p ※2 |
映像ビットレート | 最大40Mbps |
音声ビットレート | 固定224kbps |
動画ファイル形式 | TS ※3 |
※2 640×480は非対応
※3 設定項目でMP4形式での自動書き出しも選択可能
Game Capture HD60についてまとめると……
- 2014年に発売したElgato製の外付け型キャプチャーボード
- ゲーム機や携帯端末とHDMIケーブルで接続が可能
- フルHDパススルー出力対応で、最大録画解像度は1080p/60fps
- 動作環境で要求されているPCスペックは低め
- 映像遅延が2秒ほどと大きいため、パススルーは必須
4K・HDRなどの映像に対応している最新キャプチャーボードと比べると地味ですが、Game Capture HD60はまだまだ活躍できる性能を持っています。
これからゲーム実況・配信に挑戦する初心者や、手軽に1080p/60fpsでの録画・配信を体験したい人は、Game Capture HD60という選択肢もアリかと思います。
Amazonやメルカリなどでも、中古品で比較的安く取引されています。
ただし、HD60は発売から年数が経過しています。
そのため、あえてHD60を選ぶよりは、動作安定性が向上し映像遅延も少なくなった上位モデルのHD60 SやHD60 S+、HD60 Xなどのほうがおすすめかもしれません。
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