今回は、AVerMediaのキャプチャーボード「Live Gamer 4K GC573」の仕様・性能について、製品外箱や公式サイトなどに記載された情報をもとに、できるだけわかりやすく紹介していきます。
GC573はAVerMediaの製品の中でもかなりの高性能で、高解像度・高フレームレートのゲーム映像も余裕で録画・配信可能なハイエンドモデルのキャプチャーボードです。
基本的には、FPSゲームや格闘ゲームをよくプレイするゲーマー向けの仕様・性能に作られてはいますが、PS4やNintendo Switchの映像キャプチャーも問題なく行えます。
本体搭載のRGB LEDによる発光も綺麗なので、ゲーム実況・配信も軽くこなしつつ、RGB LEDによる遊びも忘れない、ハイスペックなゲーミングパソコンに組み込んで使いたくなるキャプチャーボードです。
AVerMedia「Live Gamer 4K GC573」とは?特徴&使い方について
製品名 | Live Gamer 4K GC573(通称:GC573) |
パソコンとの接続方法 | PC内蔵型・PCI Express 2.0(Gen2)x4(x4/x8/x16スロット使用可) |
エンコード方式 | ソフトウェアエンコード(H.264 / H.265) |
パススルー出力 | 4K(3840×2160)、HDR、240fpsパススルー対応 |
最大録画品質 | 2160p/60fps・1440p/144fps・1080p/240fps |
HDR10録画 | 対応 |
映像ビットレート | 最大240Mbps(RECentral 4使用時) |
接続可能なビデオ端子 | HDMI |
対応OS | Windows 10・11(64ビット版) |
発売日 | 2018年7月20日 |
備考 | PowerDirector 15 for AVerMedia(4K対応動画編集ソフト)のライセンスキーコードカードが付属 |
「Live Gamer 4K GC573」は、様々なデジタル機器の設計・製造をしている台湾の企業・AVerMediaによるハイエンドモデルのHDMIゲームキャプチャーボードです。
PCI Express接続による高い動作安定性で、4K・HDR・高フレームレートパススルー&HDMI2.0接続で最高2160fps/60fpsのキャプチャーに対応しているPC内蔵型キャプチャーボードです。
高性能なCPU・グラフィックボードが必要で、PC自作の知識・技術がない初心者がいきなり導入するにはハードルが高めですが、高品質かつ本格的なゲーム実況・配信を求める人には最適な製品です。
また、CyberLink製「PowerDirector 15 for AVerMedia(4K編集対応)」が付属しているため、キャプチャーした動画をすぐさま編集できます。※H.265(HEVC)やHDR映像の取り込みは非対応です
AmazonやYahoo!ショッピングなどのネット通販サイトでは、31000円前後で販売されています。
デスクトップPC専用の内蔵型キャプチャーボードにもかかわらず、価格比較サイト「価格.com」の人気売れ筋ランキングで常に上位に入るほど人気の製品です。
GC573 本体の外観&接続端子をチェックしよう
- 大きさ:幅125mm×奥行151mm×高さ21.5mm
- 重さ:約208g
メッシュのようなデザインのカバーが特徴的で、黒い本体に白い文字が映える見た目をしています。
基本的なデザインは、同じくAVerMediaの内蔵型キャプチャーボード「LIVE GAMER HD 2 C988」のものがそのまま使われています。
本体上面は基板の保護カバーとなっていて、「AVerMedia」「LIVE GAMER 4K」という白い文字がプリントされています。このカバーは金属製で、中にはヒートシンクもあって熱対策も考えられています。
また、PCI Expressスロットに接続するための切り欠きが確認できます。
PCI Express x4に対応のため、x4/x8/x16スロットに接続が可能です。
ちなみに裏側は保護カバーがないため、基板がむき出しになっています。
直接、手で触らないようにしましょう。
側面には「AVerMediaロゴ」と「AVerMedia」の文字の部分があります。
このAVerMediaの文字の部分はRGB LEDになっていて、発光パターン・色・輝度(明るさ)・頻度(速度)などをある程度自由に設定して光らせることができます。
RGBライティングの設定は、AVerMedia製キャプチャーソフト「RECentral 4」内の項目で変更可能です。
本体の接続端子は「HDMI(IN / OUT)端子のみとなっています。
HDMI IN端子には、HDMI出力を備えたゲーム機や端末とHDMIケーブルで繋ぎ、HDMI OUT端子には、付属品のHDMIケーブルで映像出力先となるテレビ・モニターと繋ぎます。
余計な端子や不要なものが一切存在せず一見すると簡素な作りですが、性能や機能はしっかりとしています。
GC573の付属品
下記3点がGC573の付属品です。
- クイックガイド
- HDMI 2.0ケーブル(1500mm)
- CyberLink PowerDirector 15 for AVerMedia(4K編集対応)ライセンスキーコードカード
HDMIケーブルがパススルー出力用に1本付属していますが、市販のものでも代用可能です。
動画編集ソフト「CyberLink PowerDirector 15 for AVerMedia」が付属しているので、録画した動画を即座に編集できるのは嬉しい。
内蔵型キャプチャーボードのため、必要最低限の付属品だけとなっていますね。
ちなみに、GC573にはロープロファイルブラケットは付属していません。
Elgato製の内蔵型キャプチャーボード「Game Capture HD60 Pro」や「Game Capture 4K60 Pro」では付属品として付いていましたが、そもそもGC573の基板は大きいため、スリムケースPCに入らず対応できません。
GC573のスペックについて/本体仕様・録画品質をチェックしよう
ここではGC573の各種スペックについて、以下4つに分けながら確認していきましょう。
- 動作環境
- 使用可能なキャプチャーソフト
- 接続可能なゲーム機・端末
- 録画性能
動作環境
【4K・HDR・高リフレッシュレート映像をキャプチャーする場合】
- 対応OS:Windows 10・11(64ビット版)
- 接続インターフェイス:PCI Express 2.0(Gen 2)x4/x8/x16 Gen2 スロット
- CPU:第6世代 Intel Core i5-6xxx 以上(第7世代 Intel Core i7-7xxxx 以上を推奨)もしくはAMD Ryzen 5 1600 以上
- グラフィックボード:NVIDIA GeForce GTX 1060 以上
- メモリ:8GB RAM(Dual Channel必須)以上を推奨
【1080p/60fps映像をキャプチャーする場合】
- 対応OS:Windows 10・11(64ビット版)
- 接続インターフェイス:PCI Express 2.0(Gen 2)x4/x8/x16 Gen2 スロット
- CPU:第3世代 Intel Core i5-3330以上(Intel Core i7-3770 以上を推奨)
- グラフィックボード:NVIDIA GeForce GTX 650 以上 もしくはAMD Radeon R7 250X 以上
- メモリ:4GB RAM(8GB RAM 以上を推奨)
4K・HDR・高リフレッシュレート映像をキャプチャー可能なため、高めのPCスペックが要求されています。
少し重めのPCゲームでも動作するゲーミングPCなら、余裕でGC573を100%活用することができるでしょう。
ちなみに下記は、僕が実際にGC573を使用しているPCのスペックです。
グラフィックボードが「NVIDIA GeForce GTX1050 Ti」で推奨されている動作環境よりも若干性能が低くなっていますが、特に問題なく動作しています。
- OS:Windows 10(64ビット版
- 接続インターフェイス:PCI Express 2.0(Gen 2)x8 スロットに接続して使用
- CPU:Intel Core i5-10400(6コア・12スレッド)
- グラフィックボード:NVIDIA GeForce GTX 1050Ti
- メモリ:16GB RAM(8GB RAM×2)
使用可能なキャプチャーソフト
- AVerMedia「RECentral 4」
- OBS Studio
- XSplit
- その他サードパーティー製ソフト
AVerMediaのサイトから無料キャプチャーソフト「RECentral 4」をダウンロードすることができます。
また、OBS StudioやXsplitだけでなく、StreamEngine、アマレコTVなどのサードパーティー製キャプチャーソフトにも対応していますが、HDR録画はできません。
いくつか試してみて、ソフトを使い分けて録画・配信しても良いでしょう。
接続可能なゲーム機・端末
GC573とHDMIで接続可能な機器を、Nintendo・SONY・その他ゲーム機(端末)の順番に表にしてまとめてみました。
実機の使用を前提としているため、互換機や映像・音声コンバーターなどを使用する場合は、正常にキャプチャーができない可能性があります。
ゲーム機(Nintendo) | HDMI | 備考 |
---|---|---|
Nintendo Switch | ◯ | テレビモードでの使用必須 |
Nintendo Switch Lite | × | テレビ出力自体ができない |
Wii U | ◯ | |
Wii | × | WiiソフトはWii Uで使用可能 |
ゲームキューブ | × | |
ニンテンドー64 | × | |
スーパーファミコン | × | |
ファミリーコンピュータ | × |
ゲーム機(SONY) | HDMI | 備考 |
---|---|---|
PlayStation 5 | ◯ | 設定でHDCPをオフにする |
PlayStation 4 | ◯ | 設定でHDCPをオフにする |
PlayStation 3 | △ ※1 | HDMI接続での録画には専用の分配器が必要 |
PlayStation 2 | × | |
PlayStation 1 | × | |
PlayStation Vita TV | △ ※1 | HDMI接続での録画には専用の分配器が必要 |
PlayStation Portable | × |
その他ゲーム機・端末 | HDMI | 備考 |
---|---|---|
Xbox Series X / S | ◯ | |
Xbox One | ◯ | |
Xbox 360 | ◯ | |
Xbox | × | |
iOSデバイス | ◯ | Lightning Digial AVアダプタを使用 |
Androidデバイス | △ ※1 | HDMI接続での録画には専用の分配器が必要 |
※1 HDCP信号が含まれているため、HDMI接続での録画は不可。とある分配器を使用すればHDMI接続での録画が可能になる
録画性能
GC573は、4K・HDR・高フレームレートのパススルー出力対応で、ソフトウェアエンコード方式にて最大2160p/60fps・1440p/144fps・1080p/240fpsでのキャプチャーが可能です。
加えて、ソフトウェアエンコード方式を採用していますが、グラフィックボード・CPU内蔵ハードウェアエンコーダ(NVIDIA・AMD・QSVなど)での使用が推奨されています。
PCパフォーマンスも向上するため、安定した録画・配信を行いたい場合におすすめです。
ちなみに、一部の解像度・フレームレートでのキャプチャーをする場合は、解像度調整ツール「AVerMedia Gaming Utility」でGC573のEDIDを調整・設定する必要があります。
ハードウェア規格
最大入出力解像度 | 2160p/60fps・HDR、1080p/240fps |
最大録画解像度 | 2160p/60fps・HDR、1440p/144fps、1080p/240fps |
対応入出力解像度・フレームレート |
|
ソフトウェア規格(RECentral「シングルモード」使用時)
AVerMediaキャプチャーソフト「RECentral 4」では、GC573の録画品質は「最高・良い・標準・カスタム」の中から選択します。
プリセットでも悪くはないですが、自分で設定したほうが細かい調整ができるのでおすすめです。
※括弧内数値は解像度・フレームレート・映像ビットレート・音声ビットレート・フォーマットの順です
- 最高(映像出力機器に依存?・60Mbps・192kbps・H.264 HIGH)
- 良い(1080p/30fps・60Mbps・192kbps・H.264 HIGH)
- 標準(720p/30fps・30Mbps・192kbps・H.264 HIGH)
- カスタム(『追加ボタン』をクリックすると『編集』から録画解像度・フレームレート・ビットレート・その他を自由に調整可能)
GC573の録画品質(RECentral4使用時) | |
---|---|
エンコード方式 | ソフトウェアエンコード(H.264 / H.265) |
パススルー出力 | 4K(3840×2160)、HDR、240fpsパススルー対応 |
録画品質(通常録画) |
|
録画品質(HDR録画) |
|
映像ビットレート | 240~0.3Mbps |
音声ビットレート | 512~32kbps |
対応ビデオフォーマット | NV12 / P010 / YUY2 / RGB24 |
ファイル形式 | 動画:MP4 / 静止画:PNG |
なお、HDR録画の際はビデオフォーマットが「H.265・P010」に変更されます。
GC573の特徴についてまとめると……
- 2018年に発売したAVerMedia製の内蔵型ハイエンドHDMIゲームキャプチャーボード
- 4K・HDR・高フレームレート映像のパススルー出力&キャプチャーに対応している
- 最大2160p/60fps、1440p/144fps、1080p/240fpsでの録画が可能
- RECentral 4の利用で誰でも簡単に低遅延&高画質キャプチャーが可能
- RGBライティング機能搭載で、見た目も楽しくゲーム実況・配信ができる
GC573は、内蔵型キャプチャーボードの特徴である動作安定性の高さと、4K・HDR・高フレームレート映像のパススルー出力&キャプチャーに対応可能なパワーを兼ね備えた製品です。
極端に言ってしまえば、GC573が1台あればゲーム実況・配信で困ることはほとんどないと思います。
同じ内蔵型キャプチャーボードであるElgato「Game Capture 4K60 Pro」と仕様・性能も似ていて良い勝負になりそうです。
個人的には、RGBライティングがあるおかげで、テンション高くゲーム実況・配信ができそうな感じがして気に入ってます。
たまには、わかりやすくゲーマーっぽいキャプチャーボードを選んでも楽しいかもしれませんね。
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