今回は、I-O DATA(アイ・オー・データ)のキャプチャーボード「GV-USB2」の仕様・性能について、製品外箱や公式サイトなどに記載された情報をもとに、できるだけわかりやすくご紹介します。
「GV-USB2」は、主にレトロゲーム映像を録画・配信するために利用されている、PC外付け型ビデオキャプチャーです。
元々は、昔のVHSテープ(ビデオテープ)をデジタル化してパソコンのストレージやDVDに保存する目的で使用されていた「GV-USB」の後継品ですが、それをレトロゲームの録画・配信にも活用している、といった感じですね。
2010年発売の比較的古い製品にもかかわらず、「ファミコンやスーパーファミコンなどのレトロゲーム実況・配信をするならGV-USB2さえあればOK」というくらいに、現在でも多くの実況者・配信者に使い続けられている製品です。
ちなみにGV-USB2には「GV-USB2/E」「GV-USB2/HQ」「GV-USB2/A」という名称の製品も存在しますが、販売時の名称や付属品が異なるだけで、本体自体は全く同じものです。
I-O DATA「GV-USB2」とは?特徴&使い方について
製品名 | USB接続ビデオキャプチャー GV-USB2(通称:GV-USB2) |
パソコンとの接続方法 | 外付け型・USB2.0 |
エンコード方式 | ソフトウェアエンコード |
パススルー出力 | なし |
最大録画品質 | 480i/59.94fps(OBS Studio・アマレコTVを使用) |
映像ビットレート | キャプチャーソフトのコーデックに依存 |
接続可能なビデオ端子 | コンポジット・S端子 |
対応OS | Windows XP SP2 以降(Windows 10対応) |
発売日 | 2010年9月下旬頃 |
備考 | 同じ本体で販売名称の異なるGV-USB/E・GV-USB2/HQ・GV-USB2/Aが存在する |
「GV-USB2」は、スマホ・テレビ・コンピュータなどの周辺機器を製造・販売している、株式会社アイ・オー・データ機器によるビデオキャプチャーです。
レトロゲームによくあるコンポジット端子・S端子を接続でき、最大480i/59.94fpsの録画が可能です。
元々は「GV-USB」の後継品として、ビデオテープに保存された映像をデジタル化して、PCストレージやDVDなどにバックアップする目的で作られましたが、現在ではレトロゲーム実況・配信で使えるキャプチャーボードとして有名になった製品です。
2010年発売の古いタイプのキャプチャーボードですが、小型サイズのわりに安定したキャプチャーが可能です。癖のないシンプルな仕様のため、動画共有サイトで活躍するゲーム実況者・配信者にも広く長く愛用されています。
2023年現在は、パッケージが新しくなった「GV-USB2/E」がAmazonで税込5800円前後で販売中です。
なお冒頭でも触れたように、「GV-USB2」「GV-USB2/E」「GV-USB2/HQ」「GV-USB2/A」は全て付属品が異なるだけで、同じ本体の製品です。※すでに生産が終了している製品もあります
▲Amazonではパッケージが新しくなった「GV-USB2/E」という名称で販売されています。アイ・オー・データ製ではない類似品も多いので、間違えないように注意しましょう。
GV-USB2 本体の外観&接続端子をチェックしよう
- 大きさ(ケーブル部除く):幅182mm×奥行574mm×高さ130mm
- ケーブル長:パソコン接続側 約500mm・ビデオ入力側 約150mm
- 重さ:約50.0g
小型かつ軽量で、手のひらサイズのキャプチャーボードです。
よくある映像ケーブルのようなデザインで、PC接続側とビデオ入力側のケーブルの間には、I-O DATAとプリントされた本体部分があります。
何度も繰り返しますが、GV-USB2/HQやGV-USB2/Aの本体も、これと全く同じサイズ・重さ・デザインです。
ビデオ入力側の接続端子は「RCA端子(メス)」と「Sビデオ端子(メス)」になっています。
ゲーム機のコンポジット・ステレオ音声端子・S端子を接続できます。
PC接続側はUSB2.0端子のみで、これをパソコンのUSB端子に接続します。
USBはデータ転送と給電を兼ねています。
これ以外の接続端子はなく、パススルー出力はできませんが、非常にシンプルなデザインです。
GV-USB2の付属品
下記2点がGV-USB2の付属品です。
- 取扱説明書
- サポートソフトCD-ROM 1枚
サポートソフトCD-ROMには、GV-USB2のドライバー、DVDオーサリングソフト「CyberLink PowerProducer5 for I-O DATA」、ビデオ録画ソフト「アイ・オー・データ機器製 LightCapture」などが入っています。
サポートソフトCD-ROM内のものを全てインストールすれば、GV-USB2を使用できる状態になります。
ちなみにGV-USB2/HQの場合は、上記の内容に加えて、ビデオ編集ソフト「CyberLink PowerDirector8 for I-O DATA」とラベル印刷ソフト「CyberLink LabelPrint2.5」も入ったサポートソフトDVD-ROMが付属します。
GV-USB2/HQの価格がGV-USB2より高いのは、これらの付属ソフトが追加されているからですね。
GV-USB2のスペックについて/本体仕様・録画品質をチェックしよう
ここではGV-USB2の各種スペックについて、以下4つに分けながら確認していきましょう。
- 動作環境
- 使用可能なキャプチャーソフト
- 接続可能なゲーム機・端末
- 録画性能
動作環境
- 対応OS:Windows 11 / 10 / 8.1 / 8 / 7 / Vista / XP SP2 以降
- 接続インターフェイス:USB 2.0 以降のポート
- CPU:Intel Pentium 4 2.0GHz以上 またはAMD Athlon 64 3200+以上
- メモリ:512MB RAM以上(1GB RAM以上推奨)
2010年発売のキャプチャーボードなので、要求スペックはかなり低めです。
とはいえ、GV-USB2はソフトウェアエンコード方式のため、CPU性能は高いに越したことはありません。録画した映像データも大容量になるため、HDD・SSDの容量不足にならないように気をつけましょう。
使用可能なキャプチャーソフト
- アイ・オー・データ機器「LightCapture」(付属CDーROMでインストール)
- OBS Studio
- アマレコTV
- その他サードパーティー製ソフト
付属CD-ROMにLightCaptureというソフトが入っています。
LightCaptureでの録画には、付属CD-ROM内のCyberLink PowerProducer5 for I-O DATAも必要になるため、セットでインストールしましょう。
VHSテープや8mmビデオテープの映像データをデジタル化するだけなら、LightCaptureでも充分です。
ただし、ゲーム実況・配信に使用する場合は、細かいキャプチャー設定ができるOBS Studioのほうがおすすめです。
また、録画だけであればアマレコTVも使い勝手が良く綺麗に収録できます。
一通り使用してみて、自分にあったソフトを選べばOKです。
接続可能なゲーム機・端末
GV-USB2とコンポジット・S端子で接続可能な機器を、Nintendo・SONY・その他ゲーム機(端末)ごとに表にまとめてみました。
なお、実機の使用を前提としているため、互換機や映像・音声コンバーターなどを使用する場合は、正常にキャプチャーできない可能性があります。
ゲーム機(Nintendo) | コンポジット | S端子 | 備考 |
---|---|---|---|
Nintendo Switch | × | × | |
Nintendo Switch Lite | × | × | |
Wii U | ◯ | ◯ | |
Wii | ◯ | ◯ | |
ゲームキューブ | ◯ | ◯ | |
ニンテンドー64 | ◯ | ◯ | |
スーパーファミコン | ◯ | ◯ | |
ファミリーコンピュータ | △ | × | AV出力対応の本体の使用推奨 ※1 |
ゲーム機(SONY) | コンポジット | S端子 | 備考 |
---|---|---|---|
PlayStation 5 | × | × | |
PlayStation 4 | × | × | |
PlayStation 3 | ◯ | ◯ | |
PlayStation 2 | ◯ | ◯ | |
PlayStation 1 | ◯ | ◯ | |
PlayStation Vita TV | × | × | |
PlayStation Portable | ◯ PSP3000のみ可 | ○ PSP3000のみ可 | PSP専用ケーブルが必要 ※2 |
その他ゲーム機・端末 | コンポジット | S端子 | 備考 |
---|---|---|---|
Xbox Series X / S | × | × | |
Xbox One | × | × | |
Xbox 360 | ◯ | ◯ | |
Xbox | ◯ | ◯ | |
iOSデバイス | × | × | |
Androidデバイス | × | × |
※1 ニューファミコンやツインファミコンなど
※2 PSP2000はインターレース方式のゲーム画面のテレビ出力が不可
録画性能
パススルー出力機能はありませんが、ソフトウェアエンコード方式にて最大480i/59.94fpsでのキャプチャーが可能です。
録画品質が悪いように見えますが、ファミコンの解像度自体が256×240(テレビ画面では256×224で表示)なので、ファミコンやPS1などのレトロゲームのキャプチャーに適した録画性能ですね。
キャプチャーソフト上の映像遅延がほんのわずかにありますが、素早い操作が求められるゲームでなければ画面を見ながら遊ぶことができます。
しかし、パススルー出力機能がないため、映像出力を2つに分配させるAVケーブルを使ってテレビやモニターと繋ぐと、遅延のない映像を見ながら遊ぶことができます。
付属ソフトのLightCaptureは細かい設定変更が全くできないため、ゲーム実況・配信で使用する場合は、OBS StudioやアマレコTVなどの利用をおすすめします。
GV-USB2の録画品質 | |||
---|---|---|---|
キャプチャーソフト | LightCapture ※3 | OBS Studio | アマレコTV |
エンコード方式 | ソフトウェアエンコード | ||
パススルー出力 | なし | ||
対応解像度 | 720×480 | 720×480 / 704×480 / 360×240 / 352×240 / 176×120 | |
フレームレート | 29.97fps | 59.94 / 30 / 29.97fps | 59.94 / 29.97fps |
映像ビットレート | 8.2Mbps | コーデックに依存 | |
音声ビットレート | 1536kbps(LPCM) | コーデックに依存 | 1536kbps(LPCM) |
動画ファイル形式 | mpg | mp4・avi・その他 | avi |
※3 LightCaptureでの録画には、付属CD-ROM内のPowerProducer5も必要になる
GV-USB2の特徴についてまとめると……
- 2010年に発売したI-O DATA製の外付けキャプチャーボード
- PCとUSB2.0ケーブルで繋ぎ、最大480i/59.94fpsでのキャプチャーが可能
- パススルー出力機能が無いので、分配AVケーブルを利用しよう
- ゲーム実況・配信にはLightCaptureよりOBS StudioやアマレコTVのほうがおすすめ
「レトロゲームのキャプチャーにはコレ!」と言われるくらいに、有名かつ役立つ製品です。
これといって問題点がないくらいに癖がなく、初心者から上級者まで長くお世話になること間違いなしのキャプチャーボードです。
さすがにNintendo SwitchやPS5などの最新ゲームには対応できませんが、レトロゲーム映像をキャプチャーするなら、これ1つあれば充分です。
▲Amazonではパッケージが新しくなった「GV-USB2/E」という名称で販売されています。アイ・オー・データ製ではない類似品も多いので、間違えないように注意しましょう。
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