立ち止まっているだけで汗が出る暑さの2017年8月18日、ダンボーは静岡県伊豆の国市にある「韮山反射炉」を見に来ました。
この日も最高気温30度超えの真夏日。そんな暑さよりも、もっと熱い場所だったのがこの韮山反射炉。国内で唯一残っている、実際に稼働した反射炉を見学しました。
はんしゃろって、なんじゃろ?/良質な鉄を作る設備です
着いたね、ここが韮山反射炉だよ。今日は快晴で、反射炉が綺麗に見えるね。
「しょーいち、はんしゃろって、なんだ?」
あまり聞いたことない言葉だよね。
反射炉っていうのは、不純物が混ざった銑鉄(せんてつ)から、質の良い鉄を作るための設備のことだよ。
銑鉄を溶かすためには1200℃くらいの高温が必要になるんだけど、その設備の中で炎や熱を『反射』させて、鉄をすっごく熱くさせる『炉』だから『反射炉』っていうんだって。
「ねつ、はねかえして、てつにあつめるのか。」
そうそう。それで、溶けた鉄を鋳型に流し込んで、大砲の砲身や玉を作っていたんだって。
「たいほう、どかーんってやつか。」
そうだね。昔の戦いの場だったり、御祝い事の祝砲なんかで使われている兵器だね。
せかいいさん、とうろく?/明治日本の物作りを支えた遺産
「はんしゃろ、せかいいさん、とうろくされたんだって。」
そうそう。平成27年7月に、この韮山反射炉を含む「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産に登録されたんだって。
「めいじにほんの、さんぎょうかくめいいさん?」
明治時代の日本がわずか50年ほどの間に、工業の国として急速に発展していくための基礎を作り上げた産業のことかな。
「にほんのものづくりの、さいしょ?」
そういうことになるかな。
初めは外国の書物から得た知識をもとに、自分なりに挑戦したり、船を真似して造ってみたりりしてたんだ。
それが年を経るごとに、西洋の技術を取り入れて専門知識を身につけたり、日本国内でも専門知識を身につけた人が増えたりして、自分達の手で海外の知識や技術を日本に合うように改良するまでに発展していったんだ。
「きわめたら、おりじなるに、なったのか。」
そういうこと。最初は試行錯誤や真似から入ったけど、最終的に日本に適した知識や技術を作り出したんだね。
「むかしのひとは、ものづくり、あつかったんだな。」
必ず出来るはずだ!っていう情熱を持った人達が、この反射炉を作っていたんだね。
はんしゃろと、ふじさん。/世界遺産のコラボレーション
「うらのやまから、はんしゃろがみえるって。」
裏の山?ああ、高台の茶畑から反射炉を見下ろせるのか。
「ふじさんも、みえるらしいぞ。」
反射炉と富士山か。世界遺産のコラボレーションだね。
えっと、このあたりからなら富士山が見えるはずだけど……
「ふじさん、みえないぞ。」
ものすごく厚い雲で隠れちゃってるね。本来であれば、雲のかかっている向こう側に富士山があるはずなんだ。残念だけど、タイミングが悪かったね。
「しかたないぞ。しぜんは、きまぐれだからな。」
「ちなみに、こんなかんじで、みえるんです。」
近くで見る韮山反射炉も素敵だけど、高台にも登って眺めてみるのも良いね。
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