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ダンボー、修善寺・竹の道を往く|三島スカイウォークで空中散歩

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2017年8月18日、世界遺産・韮山反射炉を後にしたダンボーは、次なる目的地「修善寺温泉」と「三島スカイウォーク」に行きました。

修善寺温泉街の近くでお昼ご飯を食べ、竹林の小径をのんびりと散策し、三島スカイウォークでは恐怖の高所体験をしました。

 

目次

まずは、おひるごはん。/あまご茶屋さんのあまご丼

修善寺温泉にやって来たね。いきなり温泉街に向かっても良いけど、とりあえずお昼ご飯を「あまご茶屋」さんで食べておこう。

「はらがへっては、みちくさもできぬ。」

正しくは「腹が減っては戦はできぬ」だけど、うん、ぐうの音も出ないほど正しいと思う!あ、お腹がぐうって鳴った。

「それで、あまごどん、たのんだんだっけ?あまごって、なんだ?」

あまごはサケ科の川魚だね。渓流の女王って言われているヤマメによく似ているんだ。

塩焼きにして食べるのが、おすすめの食べ方だけど、僕は、あまご丼を注文したよ。

「さーもんみたいなのと……たまご、きんいろだ!」

そう!黄金色なんだよ!鮭の卵は赤いけど、あまごの卵は透き通った黄金色で、気になって食べてみたくなったんだよね。

「じっしょく、どうぞ。」

いただきます!……うん、味も食感もサーモンとイクラを食べてる感じで、それほど変わらなかったかな。あ、ちょっと身が柔らかい気がする。ただ、黄金色だからか高級感があった気がする!

「しょーいちに、ぐるめりぽーと、むりだったか。」

……そうね、見た目だけじゃなく、味のわかる大人になれるように頑張るよ。

 

しゅぜんじおんせん?/弘法大師が作りし修善寺温泉

さて、お昼も食べたことだし、修善寺温泉を散策してみよう。

「そういえば、しゅぜんじおんせんって、どんなところだ?」

修善寺温泉は、伊豆半島で最も歴史のある温泉だね。日本百名湯にも選ばれている温泉なんだけど、あの弘法大師が修善寺温泉を作り出したと言われているね。

「こうぼうだいしが?どういうことだ?」

ある時弘法大師は、冷たい桂川の水で病気の父親を洗う親孝行な息子に出会ったんだ。

その息子が父親の病気の回復を願いながら一生懸命に介護をする姿に、弘法大師は感動して、独鈷(とっこ)っていう両端が尖った仏具で、川の中の岩を打って霊泉を湧き出させたんだ。

「いわをうったら、おんせんがでたのか。」

そう。それで弘法大師に勧められて、その湧き出たお湯に浸かった病気の父親は、あっという間に元気を取り戻して長年の病気が治った、と伝えられているんだ。

「びょうきがなおる、ふしぎなおんせんだ。」

最初は独鈷の湯しかなかったんだけど、そこから徐々に温泉が増えていって、現在の活気ある温泉街になったんだ。その時の独鈷の湯は、伊豆半島では一番古い温泉としても語られているね。

「あたたかいこころから、あたたかいおんせんが、わきでたんだな。」

 

しゅぜんじも、こうぼうだいしがつくった。/弘法大師ゆかりの修禅寺

弘法大師は温泉だけじゃなく、修善寺温泉の中心にある修禅寺も開創したんだよ。

「おてらも、こうぼうだいしがひらいたのか?」

そうだね。今から1200年以上前の大同2年(807年)にね。

修禅寺は、静岡県伊豆市修善寺にある曹洞宗のお寺で、正式名称は「福地山修禅萬安禅寺(ふくちざんしゅぜんばんなんぜんじ)」っていうんだ。略して福地山修禅寺なんて呼ばれてる。

いやー、温泉だけじゃなく、お寺まで開いちゃうなんて、弘法大師は立派な人だったんだね。

「まさに、こうぼうふでをえらばず、だな。」

お、うまいことを言うじゃないか。

「それほどでもない。……あれ?そういえば、しゅぜんじの『ぜん』のじ、ちがくないか?」

お、よく気が付いたね。「修善寺温泉」っていう地名では「善」の字を使うけど、「修禅寺」ってお寺の場合は「禅」の字を使ってるね。

「ぜんは、ざぜんの『ぜん』だな。」

そう、座禅の禅の字だね。

室町時代(1489年)に修禅寺が曹洞宗に改宗した時に「善」から「禅」になった、っていう説があるけど、たしかに「禅」の字を使うほうがお寺っぽい気がするよね。まあ、本当のところはよくわからないけど。

 

しゅぜんじ、たけのみち。/文豪たちの愛した風を感じて

さて、さっき話した独鈷の湯から続く小径を歩いていくと、桂川を沿うように竹林の遊歩道があるんだよ。

「ちくりん……、たけのみちだな。」

竹林の小径って呼ばれてる場所で、修善寺温泉でたくさんの竹が見られる観光スポットだね。竹林の中央には大きな竹製の円形ベンチがあって、ここに座ると、竹林を吹き抜ける風を感じることができるよ。

「しゅぜんじおんせんの、かぜをかんじる。」

温泉上がりの火照った体も、心地よい風が冷ましてくれそうだよね。

それだけじゃなくて、日没後から23時頃までライトアップが行われるから、竹林の小径は昼も夜も楽しめる場所なんだよ?

「ひげんじつてきで、ゆっくりできそうだな。」

旅行に来たからには、毎日のせわしない現実を忘れて、ちょっと幻想的な雰囲気に思いを馳せてみるのも良いかも。ダンボーが竹林の小径をゆったりと歩いているのと同じように、修善寺温泉の由来にもなった弘法大師や、その弘法大師が出会った親子も、もしかしたら、この竹林の小径を通って川に向かったのかもしれないね。

「そのとうじ、ちくりん、なかったかもしれないぞ?」

まあ、そうなんだけど……病気のお父さんを背負って、毎日、川を目指して竹林を歩く息子の姿を想像してみたんだよね。少しでもお父さんの病気が治りますように、ってお願いをしながら、父親の世話をしてる時に弘法大師に出会って……って、なんだか小説が書けそうな気がしない?

「たしかにそうだな。だんぼー、えほんでも、いいとおもう。」

こうやってのんびりできる環境だから、昔の小説家も修善寺を題材や舞台にした作品を残してるんだよね。岡本綺堂の戯曲「修禅寺物語」とか、川端康成「伊豆の踊り子」とか。夏目漱石は、病気療養のためにやって来てたらしいし。

「なつめそうせき、しゅぜんじのたいかん、しってるぞ。」

それは修善寺の大患だね。夏目漱石は療養するつもりで修善寺を訪れたのに、患っていた病気が悪化して死にかけた事件だよね……。でも、その時のことがあったから、後の人生観や作風に大きな影響を与えたのであって、とにかく、最終的には良くなったから良かったじゃないか!

「じじつは、しょうせつよりも『き』なり、ということだな。」

まさにその通りだと思うわ。本当に、人生って何が起こるかわからないよね。

 

すかいうぉーくは、にがてらしいぞ。/三島スカイウォークでへっぴり腰

修善寺から車で45分くらいで、三島スカイウォークに着いたね。

「すかいうぉーく……そらを、あるくのか?」

よく晴れた青空の日だったら、まるで空を歩いているかのように吊り橋を渡れるんだ。ただ、今日はだいぶ厚い雲も出てるから、空中散歩をしている感覚は薄いかもしれないけどね。

「まあ、そういうひも、あるもんだ。」

 

三島スカイウォークは、全長400m、高さ70mの吊り橋で、歩行者専用吊り橋の中では日本一の長さだね。

全長400mもあるから、驚くべきは吊り橋のパーツの巨大さ。使用されているケーブルは橋全体で約9500mの長さと約110tもの重さがあり、そのケーブルから伝わる660tの重さを支える巨大な主塔、引っ張る力が1基最大800tに達するケーブルの端を固定する杭など、どれも規模が大きすぎて付いていけない。

「だんぼーとくらべて、どれくらいおおきい?」

身長80mm(0.08m)のダンボー・ミニを5000体分で、橋の全長400mと同じ長さになるよ。つまり、ダンボーと比較にならないくらいに、スケールが大きいってことだね。

「それをつくったひとも、きっと、きょじんだぞ。」

いや、僕と同じ人間だよ。ただ、僕と比べ物にならないくらいに、ものすごく頭の良い人や高度な技術を持つ人、建設に協力してくれる人がたくさん集まって、このスカイウォークは造られているはずだよ。

「なるほど。すかいうぉーくは、つくったひとたちの『おもい』も、ささえているんだな。」

おお、カッコいいこと言った!

 

で、風に対する安定性を確保するために、歩道に隙間を作って風が通り抜けやすくする、オープングレーチング構造が施されているんだけど……高い所が苦手な人にとっては、ただ恐怖心が増すだけのビックリ構造なんじゃないかと、僕は思うわけですよ。

「よくわからないけど、しょーいちは、すけすけが、こわいのか?」

そういうことです。でも、綿密な調査やシミュレーションを繰り返して設計されているし、非常に安全性の高い吊り橋だから、安心して渡れるようにはなってるはずだけど、やっぱり怖いものは怖いのだよ……。

「それは、たかいところに、なれるしかない。」

だよね……。せめて天気が良ければ、富士山が見えるくらいの絶景を見て、気を紛らわすことも出来たんだけど、この日は暗い雲が広がる曇り空で、遠くのほうで雷も鳴ってるんだもん。いや、高いところはものすごく苦手なんだよね。こう、どこにも繋がっていない状態で高いところで放り出される感覚が嫌で……。

「だんぼーからしたら、ぜんぶ、たかいところだぞ。」

まあ、そうなんだけど。ちなみに、東京タワーとかスカイツリーの、あの透けてる床に乗るのも嫌です。

「じゃあ、なんで、すかいうぉーくにきたんだ?」

それは、先輩であるFujiさんが「行ってみようぜー!」って言ったから、っていうのもあるんだけど、いつまでも怖がったままじゃダメかなーなんて思ったのさ。

「しょーいち、ちょっと、えらいぞ。」

ちょっとだけか~。まあ、そのちょっとの勇気を持って、三島スカイウォークを歩いてみようと思うよ。その第一歩として、勇気を出して橋の途中で写真を撮ってみたよ!

「だめなしゃしん、だしたゆうきは、ほめてやる。」

(早歩きで前しか見ないで撮影したから、斜めになっても仕方ないよね!)

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この記事を書いた人

雑記ブログ「まさゆめおぼえがき」を書いてる人。旅行好き。ダンボー好き。機械いじりもわりと好き。

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