今回は、AVerMediaのキャプチャーボード「Live Gamer EXTREME 2(GC550 PLUS)」の仕様・性能について、製品外箱や公式サイトなどに記載された情報をもとに、できるだけわかりやすく紹介していきます。
GC550 PLUSはGC550の後継モデルで、4Kパススルー出力機能が追加されたり録画性能が向上したりと、より使いやすく改良が加えられたキャプチャーボードです。
コンポーネント端子や3.5mm AUX / MIC IN端子などの機能は廃止されましたが、基本的な仕様や使い勝手はそのままに、4K出力対応のゲーム機で実況・配信する時に活躍しそうな製品です。
CyberLinkの動画編集ソフト「PowerDirector 15 for AVerMedia」のライセンスキーコードカードも付属しているので、これからゲーム実況・配信に挑戦する人にもおすすめの製品です。
▼【レビュー記事もどうぞ】実際にGC550 PLUSを購入して使ってみました!
AVerMedia「GC550 PLUS」とは?
製品名 | Live Gamer EXTREME 2(通称:GC550 PLUS) |
パソコンとの接続方法 | 外付け型・USB3.1 Gen1(=USB3.0・USB3.2 Gen1) |
エンコード方式 | ソフトウェアエンコード |
パススルー出力 | 4K(3840×2160)パススルー対応 |
最大録画品質 | 1080p/60fps |
映像ビットレート | 最大240Mbps(RECentral 4使用時) |
接続可能なビデオ端子 | HDMI |
対応OS | Windows 10・11(64ビット版) |
発売日 | 2018年6月8日 |
備考 | PowerDirector 15 for AVerMedia(動画編集ソフト)のライセンスキーコードカードが付属、カバーデザインソフト「Cover Creator」が利用可能 |
「Live Gamer EXTREME 2(GC550 PLUS)」は、様々なデジタル機器の設計・製造をしている台湾の企業・AVerMediaによるHDMIゲームキャプチャーボードです。
4Kパススルー出力&HDMI接続による1080p/60fpsでの録画が可能で、PCとUSB3.1(USB3.0・USB3.2 Gen1)接続の高速データ転送で簡単にキャプチャーが行えます。
4Kパススルー機能を追加&キャプチャー性能の向上したGC550といったイメージの製品で、一部の機能が廃止されたものの基本的なデザイン・仕様などは前モデルとほとんど変わりません。
▼GC550 PLUSの前モデルである「GC550」については下記の記事をご覧ください。
AmazonやYahoo!ショッピングなどでは、新品21000円前後で販売されています。
GC550 PLUS 本体の外観&接続端子をチェックしよう
- 大きさ:幅145.3mm×奥行97.2mm×高さ29.0mm
- 重さ:約182g
AVerMedia製品によく見られる黒&赤の2色を基調とした、台形に近い箱型という変わった形をしたキャプチャーボードです。
GC550 PLUSの本体は、前モデル「GC550」とサイズ・重さが同じです。
デザインもそのまま継承されていますが、GC550よりやや豪華な印象があります。
本体上面には「LGX2」「LIVE GAMER EXTREME」という豪華かつ主張が激しい文字が見えますが、これは紙製ジャケット(カバー)になっているため取り外しが可能です。
カバーデザインソフト「Cover Creator」で、自分の好きなカバーを作成することもできます。
また、カバー前面側の部分は本体の状態ランプになっています。
本体の動作状況によって青や赤に点灯・点滅します。
本体前面には「AVerMedia」という文字が見えるだけで、特に何もありません。
GC550には存在した「3.5mm AUX IN端子」と「3.5mm MIC IN端子」は、不要と判断されたのかGC550 PLUSでは廃止されています。
本体背面には左から「USB3.1 Gen1 Type-C端子」「HDMI IN / OUT端子」と、中央部分にロックネジがあります。
USB3.1 Gen1 Type-C端子には、付属品のUSB3.1ケーブルを接続します。
パソコンと繋いでデータ転送&給電を行います。
HDMI IN端子にはゲーム機・携帯端末からのHDMIケーブルを、HDMI OUT端子にはパススルー出力用にテレビ・モニターなどとHDMIケーブルで繋ぎます。
GC550 PLUSは4Kパススルー出力機能搭載なので、それにともなってHDMIバージョンも2.0に変更されています。
ちなみにGC550には存在した「COMPONENT IN端子」も、GC550 PLUSでは廃止されています。
必要最低限の接続端子のためかGC550よりも洗練されていて、更に上級者向けのキャプチャーボードに改良されている印象です。
GC550 PLUSの付属品
下記6点がGC550 PLUSの付属品です。
- クイックガイド
- USB 3.1 Type-C to Type-A ケーブル(1000mm)
- HDMIケーブル(1500mm)
- CyberLink PowerDirector 15 for AVerMedia ライセンスキーコードカード
- カバー
- ロックネジ
クイックガイドはGC550 PLUSの説明書です。AVerMediaサイトのサポートからもダウンロードが可能です。
USB 3.1 Type-C to Type-A ケーブル(1000mm)はPCと接続してデータ転送&給電用のために使用します。
HDMIケーブル(1500mm)はパススルー用に付属しています。
4Kパススルー出力に対応するために、HDMIケーブルはバージョン2.0になっています。
CyberLink PowerDirector 15 for AVerMedia ライセンスキーコードカードは、動画編集ソフト「PowerDirector」のAVerMediaバンドル版です。
市販のPowerDirectorと比べると一部機能に制限がありますが、GC550 PLUSで録画した動画もPowerDirector 15 for AVerMediaですぐに編集することができます。
カバーはLGX2と大きくプリントされたもので、購入時点から本体にセットされています。
ロックネジに関しては、最初から付いている手で回せるロックネジとはまた別に、ドライバーで回すタイプの小さいロックネジが付いています。
GC551(並行輸入品)は日本国内の保証・サポート対象外
GC550 PLUSは、海外型番「GC551」という名称で同一製品が18000円ほどで販売されています。
GC551はパッケージやクイックガイドなどが全て英語表記になっていますが、仕様・性能はGC550 PLUSと変わりません。
ただし、並行輸入品は日本国内の保証が適用されず、メーカーによる修理・メンテナンスなどのサポート対象外となります。
GC550 PLUSよりも安価で販売されているため、「GC551」と「GC550 PLUS」の表記をしっかりと確認して、間違えて購入しないように気をつけましょう。
GC550 PLUSのスペックについて/本体仕様・録画品質をチェックしよう
ここではGC550 PLUSの各種スペックについて、以下4つに分けながら確認していきましょう。
- 動作環境
- 使用可能なキャプチャーソフト
- 接続可能なゲーム機・端末
- 録画性能
動作環境
【デスクトップパソコン】
- 対応OS:Windows 10・11(MacOS使用不可)
- 接続インターフェース:USB3.1 Gen1(=USB3.0・USB3.2 Gen1)
- CPU:Intel Core i5-4440 3.10GHz 以上(Intel Core i7-4770 3.4GHz 以上を推奨)」
- グラフィックボード:NVIDIA GeForce GTX 660 同等以上
- メインメモリ:4GB RAM 以上(8G RAM 以上を推奨)
【ノートパソコン】
- 対応OS:Windows 10・11(MacOS使用不可)
- 接続インターフェース:USB3.1 Gen1(=USB3.0・USB3.2 Gen1)
- CPU:Intel Core i7-4810MQ 以上
- グラフィックボード:NVIDIA GeForce GTX 870M 同等以上
- メインメモリ:4GB RAM以上(8G RAM 以上を推奨)
GC550 PLUSの動作環境は、GC550の時と対応OSが異なるくらいでほとんど変わりません。
しかし、あくまで動作する環境なので、快適な実況・配信には性能に余裕のあるPCが望ましいです。
また、グラフィックボード・CPU内蔵のハードウェアエンコーダ(NVIDIA・AMD・QSVなど)での使用も検討しましょう。
ちなみに、USB 3.1 Gen2 ホストコントローラ(Intel・AMD・ASMedia製など)には対応していないようなので気をつけましょう。
使用可能なキャプチャーソフト
- AVerMedia「RECentral 4」
- OBS Studio
- XSplit
- アマレコTV
- その他サードパーティー製ソフト
AVerMediaのサイトから無料キャプチャーソフト「RECentral 4」をダウンロードすることができます。
また、OBS StudioやXsplit、StreamEngine、アマレコTVなどのサードパーティー製キャプチャーソフトにも対応しています。
いくつか使用してみて、使いやすいソフトで録画・配信すると良いでしょう。
接続可能なゲーム機・端末
GC550 PLUSとHDMIで接続可能な機器を、Nintendo・SONY・その他ゲーム機(端末)の順番に表にしてまとめてみました。
実機の使用を前提としているため、互換機や映像・音声コンバーターなどを使用する場合は、正常にキャプチャーができない可能性があります。
ゲーム機(Nintendo) | HDMI | 備考 |
---|---|---|
Nintendo Switch | ◯ | テレビモードでの使用必須 |
Nintendo Switch Lite | × | テレビ出力自体ができない |
Wii U | ◯ | |
Wii | × | WiiソフトはWii Uで使用可能 |
ゲームキューブ | × | |
ニンテンドー64 | × | |
スーパーファミコン | × | |
ファミリーコンピュータ | × |
ゲーム機(SONY) | HDMI | 備考 |
---|---|---|
PlayStation 5 | ◯ | 設定でHDCPをオフにする |
PlayStation 4 | ◯ | 設定でHDCPをオフにする |
PlayStation 3 | △ ※1 | HDMI接続での録画には専用の分配器が必要 |
PlayStation 2 | × | |
PlayStation 1 | × | |
PlayStation Vita TV | △ ※1 | HDMI接続での録画には専用の分配器が必要 |
PlayStation Portable | × |
その他ゲーム機・端末 | HDMI | 備考 |
---|---|---|
Xbox Series X / S | ◯ | |
Xbox One | ◯ | |
Xbox 360 | ◯ | |
Xbox | × | |
iOSデバイス | ◯ | Lightning Digial AVアダプタを使用 |
Androidデバイス | △ ※1 | HDMI接続での録画には専用の分配器が必要 |
※1 HDCP信号が含まれているため、HDMI接続での録画は不可。とある分配器を使用すればHDMI接続での録画が可能になる
録画性能
GC550 PLUSは、4Kパススルー出力対応で最大1080p/60fpsでのキャプチャーが可能です。
ただし、4K・HDR・高フレームレート(60~240fps)映像の録画は非対応となっています。
GC550 PLUSはソフトウェアエンコード方式を採用していますが、グラフィックボード・CPU内蔵ハードウェアエンコーダ(NVIDIA・AMD・QSVなど)での使用が推奨されています。
PCパフォーマンスも向上するため、安定した録画・配信を行いたい場合におすすめです。
ハードウェア規格
- 最大入出力解像度:2160p/60fps
- 最大録画解像度:1080p/60fps
- 対応入出力解像度:2160p、1080p、1080i、720p、576p、480p、480i
RECentral 4 シングルモード使用時の録画品質
AVerMediaキャプチャーソフト「RECentral 4」では、GC550 PLUSの録画品質は「最高・良い・標準・カスタム」の中から選択します。
プリセットの数値がよくわからない謎設定なので、余程のことがない限り、カスタムで細かい調整することをおすすめします。
※括弧内数値は解像度・フレームレート・映像ビットレート・音声ビットレート・フォーマットの順です
- 最高:1080p/30fps・60Mbps・192kbps・H.264 HIGH
- 良い:1080p/30fps・60Mbps・192kbps・H.264 HIGH(『最高』と同じ)
- 標準:720p/30fps・60Mbps・192kbps・H.264 HIGH
- カスタム(『追加ボタン』をクリックすると『編集』から録画解像度・フレームレート・ビットレート・その他を自由に調整可能)
GC550 PLUSの録画品質(RECentral4使用時) | |
---|---|
エンコード方式 | ソフトウェアエンコード |
パススルー出力 | 4K(3840×2160)パススルー対応 |
対応入出力解像度 | 2160p / 1080p / 1080i / 720p / 576p / 576i / 480p / 480i |
対応録画品質 | 1920×1080 / 1680×1050 / 1440×900 / 1360×768 / 1280×1024 / 1280×800 / 1280×768 / 1280×720 / 1024×768 / 800×600 / 848×480 / 768×480 / 720×576 / 720×480 / 640×480 / 640×360 / 576×360 |
フレームレート | 59.94・50・30・29.97・25・24・23.98・20・15fps |
映像ビットレート | 240~0.3Mbps |
音声ビットレート | 192・128・96・64・32kbps |
ファイル形式 | 動画:MP4 / 静止画:PNG |
GC550 PLUSの特徴についてまとめると……
- 2018年に発売したAVerMedia製の外付け型HDMIゲームキャプチャーボード
- 4Kパススルー出力対応で、最大1080p/60fpsのキャプチャーが可能
- RECentral 4の利用で誰でも簡単に低遅延&高画質キャプチャーが可能
- 自分好みのGC550 PLUSのカバーをCover Creatorで作れる
4K解像度で遊べる環境に対応すべく4Kパススルー出力機能が追加されましたが、基本的には前モデルのGC550と同じような使い勝手のままです。
コンポーネント端子が廃止されたのは残念ですが、代わりにHDMI接続での映像キャプチャーに特化した性能へパワーアップしています。
PS5・PS4 Pro・Xbox Series Xなどは4K映像で遊びつつ、ゲーム実況・配信はフルHDで収録するといった使い方をしたい場合に活躍してくれるでしょう。
個人的には、キャプチャーボードとバンドル版PowerDirector 15をまとめて入手できるため、本格的にゲーム実況・配信に挑戦する初心者にもおすすめです。
▼【レビュー記事もどうぞ】実際にGC550 PLUSを購入して使ってみました!
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